☎022-392-3161
休診日:木曜、土曜午後、日曜、祝祭日及び当院の定める休日
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こんにちは。岩崎医院の岩崎です。
今回は、睡眠中に起こるちょっと不思議な症状、「レム睡眠行動障害(REM睡眠行動障害)」についてご紹介します。
睡眠には大きく分けて2つの状態があります:
・ノンレム睡眠(深い眠り・脳も体も休む時間)通常、レム睡眠中は体の筋肉がゆるんで動かないように抑えられています。
これは、夢の中で動いたり暴れたりしないようにする安全装置のようなものです。
この「安全装置」がうまく働かなくなり、夢の中の行動を実際に体が再現してしまうのが「レム睡眠行動障害」です。
たとえば…
・夢の中で戦っているときに、実際に手足を振り回すなどの行動が起こります。
多くは夜中の後半(明け方近く)に起き、本人は覚えていないこともあります。
・50歳以上の男性に多いといわれていますが、女性や若年者にも起こることがあります。実は、この症状はただの睡眠の問題ではなく、脳の病気と関係している可能性があるため、注意が必要です。特に、次のような神経の病気との関連が知られています:
・パーキンソン病これらの病気の数年前からレム睡眠行動障害が始まることもあります。
そのため、「睡眠中の異常行動」は、将来の脳の病気のサインになることがあるのです。
この症状以外に「香りや味が分かりにくくなった」「手が震えるようになった」「ひどい便秘になったりおしっこが頻回になった」「歩くのが遅くなった」といった症状が出てきた方は医師に相談をしてみましょう。
あります。
レム睡眠行動障害には、以下のような対応が有効です:
1. 環境の見直し
・ベッドの周囲に危険なものを置かない
・ベッドを低くする
→ 転倒やケガのリスクを減らします
2. 生活習慣の改善
・睡眠不足を避ける
・アルコールを控える
・ストレスをためない
3. お薬による治療
・クロナゼパム(抗てんかん薬)
・メラトニン(睡眠リズムを整えるホルモン)
などが効果的とされています。
治療により、夜間の異常行動がかなり軽減することも多いです。
「夜中に暴れる」「大声で叫ぶ」「寝ている間にケガをする」・・・
そんな症状があると、本人だけでなくご家族も心配ですよね。
レム睡眠行動障害は、適切な対応と治療で改善が期待できる病気です。
また、将来の神経の病気の早期サインであることもあるため、気になる症状があれば、早めにご相談ください。
文責:院長 岩崎晶夫