宮城県仙台市青葉区愛子の内科・脳神経内科

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脳卒中

脳卒中にならないために・脳卒中の再発を予防するために

1. 脳卒中とは?

 脳の血管が急に破れたり、詰まったりして脳の血液の循環に障害をきたし、様々な症状を起こす病気で、日本では寝たきり状態となる大きな原因となっています。


2. 脳卒中の分類

脳卒中

◇脳梗塞
 糖尿病、脂質異常症、高血圧、喫煙などにより、脳の動脈硬化によって脳の血管が狭くなって起こるもの
 心房細動などの不整脈によって、心臓から流れてきた血栓が血管に詰まっておこるもの

◇脳出血
 高血圧などが原因で脳の血管が破れるもの

◇くも膜下出血
 脳の表層部分で動脈瘤高血圧などによって破れておこるもの

 おおまかではありますがこのように分類されます。
 症状としては、手足や顔が動かしにくくなったり(運動麻痺)、手足の感覚が弱くなったり(感覚障害)、言葉がうまく出てこなくなったり(失語)、物が半分見えなくなる(半盲)、といった症状がみられます。また、最悪の場合死亡したり、寝たきりになったりすることがある病気です。


3. 脳卒中の予防

 ではどうやって予防したら良いでしょうか。日本脳卒中協会からは次のような予防の標語が公表されています。

① 手始めに 高血圧から 治しましょう
② 糖尿病 放っておいたら 悔い残る
③ 不整脈 見つかり次第 すぐ受診
④ 予防には たばこを止める 意志を持て
⑤ アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
⑥ 高すぎる コレステロールも 見逃すな
⑦ お食事の 塩分・脂肪 控えめに
⑧ 体力に 合った運動 続けよう
⑨ 万病の 引き金になる 太りすぎ
⑩ 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ
作成:公益社団法人日本脳卒中協会

 この中でも特に重要なのが高血圧、糖尿病、不整脈、コレステロール、タバコです。

脳卒中 <手始めに 高血圧から 治しましょう>
・病院で測った血圧だけでなく、家で測った朝の血圧が高い場合も脳卒中の危険性を高めます。
・朝の家庭血圧が135/85mmHg以上になると、脳卒中になる危険性は約3倍高まります。脳卒中を予防するためには、血圧を24時間しっかり下げる必要があります。
・減塩はもちろんですが、高血圧の方はかかりつけの先生によく相談しましょう。

脳卒中 <糖尿病 放っておいたら 悔い残る>
・糖尿病になる前段階の耐糖能異常の状態で、すでに脳卒中になる危険性が高まります。
・糖尿病予備群の人も注意が必要です。
・すでに糖尿病の方は、お薬をしっかり飲み治療を継続してください。

脳卒中 <不整脈 見つかり次第 すぐ受診>
・通常は規則正しく動いている心臓の脈が乱れることを不整脈といいます。特に心房細動という不整脈は、心臓の中で血液がスムーズに流れずに血栓(血の塊)ができやすくなります。この血栓が脳に運ばれ、脳の血管を詰まらせると脳梗塞を起こします。
・心房細動は特に高齢者に多いので、脈のリズムが不規則だと感じたら医師に相談しましょう。血液を固まりにくくする薬を飲んで脳梗塞を予防します。

脳卒中 <予防には タバコを止める 意思を持て>
・タバコを吸う人は吸わない人に比べて、脳卒中を起こしやすくなります。
・1日21本以上吸うヘビースモーカーになると、男性は約2倍、女性は約4倍,脳卒中の危険性が高まります。まずは禁煙しましょう。

脳卒中 <高すぎる コレステロールも 見逃すな>
・悪玉(LDL)コレステロール値が高いと、脳梗塞発症率は高まります。
・善玉(HDL)コレステロール値が30mg/dL未満だと,脳卒中発症の危険度は約3倍高まります。
・悪玉コレステロールの異常を健診などで指摘された方は医師に相談しましょう。

 

 今回は脳卒中予防に関して簡単に解説させていただきました。心配なことがある方はお気軽にご相談ください。

文責:岩崎医院 院長 岩崎晶夫

参考文献:脳卒中治療ガイドライン2021(改定2023)一般社団法人日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会
リンク:公益社団法人 日本脳卒中協会